1,加賀温泉駅南地区開発について
①呼称について
一色:市長は本定例会の市長提出議案説明で、6月定例会では使っていた「未来型商業エリア」とは言わずに、「加賀温泉駅南地区開発」と発言している。呼称を変更した理由を問う。
市長:呼称についてお答えいたします。
まず、「未来型商業エリア」につきましては、加賀市医療センター裏から国道八号までの約八十ヘクタールのエリアの将来的なまちづくりの方向性を示す本市の事業名称として位置付けているものであります。
一方で、「加賀温泉駅南地区開発」につきましては、この「未来型商業エリア」のうち、医療センター裏を中心とした約二十ヘクタールの区域において、株式会社長工が進めている開発計画の名称であります。
先の六月定例会におきましては、本市が目指す、まちづくり構想全体にかかるご説明という観点から「未来型商業エリア」という事業名称を用いました。
これに対し、今定例会の冒頭におきましては、現在、市と長工が連携し進めている約二十ヘクタールの開発計画に焦点を当て、具体的な進捗状況や実態を伝えることが適切であると判断し、「加賀温泉駅南地区開発」という開発計画の名称を用いて説明を行ったものであります。
②株式会社長工との合意について
一色:株式会社長工が、地元や市に対して示した新たなスケジュールによると、令和9年3月に地権者の同意を得て、令和9年6月に契約となっているようである。
これでは、3月までには地権者全員の同意を得ることを前提にこの開発事業を進めることになるが、現時点で地権者全員の同意がない中で、仮定の話で事業を進めてよいのか。見解を問う。
建設部長:株式会社長工との合意についてお答えいたします。
長工から示されたスケジュールにつきましては、あくまでも長工が目指す事業計画の工程を示したものであり、地権者の同意を得る時期についても、目標として示されたものであります。
市といたしましては、本開発の実現に向け、本スケジュールが滞りなく進められるよう長工との間で締結した連携協定に基づき、引き続き長工を支援してまいります。
具体的には、本開発により、周辺道路における交通渋滞の発生や、生活道路への交通量の増加など、市民生活に影響を及ぼすことが想定されることから、長工の事業スケジュールに先立ち、市民生活への影響を最小限に抑えるため、必要な道路整備などを進めてまいります。
③スケジュール表について
一色:9月1日に株式会社長工が地権者を集めて説明会を行った際に配付したとされる事業計画スケジュール表には、誤った表記が何か所もある。
このような誤記のあるスケジュール表を作成した株式会社長工にも問題があるが、これをそのまま認めて、資料として扱っている市当局こそ問題ではないか。なぜこのようなことが起きたのか、説明を求める。
建設部長:スケジュール表についてお答えいたします。
スケジュール表につきましては、市は目標とする着工年度や開業年度などの大枠は確認しました。
株式会社長工からは「確認ミスであり、大変申し訳ない。地権者様には改めて、修正したスケジュール表を再送する。」と連絡を受けました。
市といたしましては、今回の件を受け、長工に対して今後このような誤記載や混乱を招くことがないよう、資料作成および確認体制の徹底について注意を申し入れるとともに、市が資料を確認する際にも、記載内容について十分に確認し、誤りがないよう努めてまいります。
なお、市といたしましては、当該資料をそのままで使用してはおりません。
④地権者への説明会について
一色:知り合いの地権者によれば、9月1日に株式会社長工が地権者を集めて説明会を行った際に、同意している地権者の一人が受付をしていたとのことである。
このようななれ合いの状態でよいのか。このことを当局は知っているのか
建設部長:地権者への説明会についてお答えいたします。
ご質問のありました九月一日の地権者説明会につきましては、株式会社長工が自主的に開催したものであり、当日の運営にかかる詳細については把握してございません。
ご指摘を受け、長工に事実関係を確認しましたところ、「特定の地権者様に対して、事前に受付業務を依頼したものではなく、地権者様より善意で途中に協力のお申し出を頂き、ご対応頂いたものであります。長工としては、地権者様のご協力を頂きながら、一緒に進めていく事業であると考えており、ありがたく素直に受けましたが、説明会に参加された地権者様に疑問や不快な思いを抱かせてしまったことにつきましては、大変申し訳なく思っております。」とのことでした。
市といたしましては、長工に対し、今後の説明会や地権者との協議の場においては、疑問や不快な思いを抱かれないよう十分な配慮を求めてまいります。
2,災害用備蓄品購入事業について
一色:災害大国日本では、災害備蓄品を最低3日分、できれば1週間分の備蓄が目安とされている。内閣府の防災情報ページでも、家庭での備蓄や日頃からの備えが案内されている。
主な備蓄品として特に基準として意識しやすいのは、飲料水は1人1日3リットル、食品は最低3日分、生活用品はできれば1週間分、持ち出し品はすぐ運べる量。災害時の家庭備蓄では、水、食料、携帯トイレ、常備薬、衛生用品、照明、電池、モバイル電源などが中心とある。
私は令和7年9月定例会で、過去の災害を考慮するなら災害備蓄品は7日分は必要だと指摘している。令和6年能登半島地震の際も、道路の陥没や港の隆起などで物流が途切れて、被災者のところに物資が届いたのが1週間後だったという事例もある。そうしたことがあったにもかかわらず、3日分の備蓄しか用意しないのは、本気で市民の命と暮らしを守ろうとしているのか甚だ疑問である。4日目以降のシミュレーションも現実的ではないように思う。
さらに、備蓄品のロスを防ぐためにも、流通ローリングストックを取り入れて、十分な品数を用意することも必要ではないかと考える。見解を問う。
危機対策部長:災害用備蓄品購入事業についてお答えいたします。
災害時の備蓄については、発災直後から物資の流通が回復するまでの期間を考慮し、一定の備蓄品を確保しておく必要があります。
市では、災害時の備えについて、市民の皆様には日頃から自助と共助による備えとして、ご家庭での備蓄を最低三日分、大規模災害に備え可能であれば一週間分の確保をお願いしてきております。
併せて、市としては公助の役割として、最低三日分の災害備蓄品を確保し、分散備蓄する計画としています。
発災から四日目以降につきましては、市の備蓄と流通備蓄を複合的に確保するとともに、他の自治体などからの支援物資も加えて対応できるものと考えております。
議員ご提案の流通ローリングストックとは、家庭内だけではなく食品や日用品を民間の物流倉庫などに保管した状態で、流通段階の商品を災害時の備蓄として活用する考え方であります。
この手法を用いれば、大量の備蓄品を保管する倉庫などを整備する必要がなくなり、効率的に備蓄品を確保できる有効な仕組みであると考えます。
しかしながら、この手法は、保管倉庫から搬送する必要があり、道路が寸断された場合には、迅速に備蓄品を搬送することが困難となります。
能登半島地震では道路の寸断など地理的制約があることから、支援物資が避難所に届けられるまで相当の時間を要した事例はご承知のとおりであります。
このような理由から、市では、備蓄品の集中管理から地域ごとに備蓄する分散備蓄に方針を転換し、備蓄を進めており、流通ローリングストックを取り入れる予定はございません。
今後は、三日分の備蓄が完了しましたら、それ以外に必要となる物品の充実を図ってまいりたいと考えております。
3,体育館の空調設備整備事業について
一色:教育委員会の資料によると、6校ある中学校体育館の空調設備整備状況は、令和7年度は2校、令和8年度は1校、令和9年度以降も1校ずつの計画で、6校全ての完了予定が令和 11年度とある。加賀市は他の市町と比べると若干進んでいるとはいえ、かほく市の、小・中学校合わせて9校で 100%と比べると遅れているのではないか。
体育館は地震などの災害が発生した際、避難所として活用できる貴重な施設である。
新聞報道によると、石川県で激甚災害に指定された災害は、過去5年間で 13 回に上り、専門家も「石川県は災害が少ない県ではない」と指摘している。加賀市でも先日の大雨で、警戒レベル4の危険警報が複数回発表され、避難指示が発令されている。
こうした最近の大災害の頻度を考えると、事業のピッチを上げる必要があるのではないか。見解を問う
教育委員会事務局長:体育館の空調設備整備事業についてお答えいたします。
林直史議員のご質問で、市長からお答えさせていただきましたとおり、学校の体育館は、児童生徒が多様な学びを深める教育空間であるとともに、「指定避難所」として重要な役割を担っております。
近年、石川県内でも災害が頻発しており、体育館の耐災害性の向上および熱中症対策は、喫緊の課題であると認識しております。
こうした状況を踏まえ、国において、学校体育館等における空調整備を加速する方針が示されたことを受け、本市としましても、できる限り整備を加速させてまいります。
4,市道B第 152 号線消雪施設設置事業について
一色:宇谷野工場団地に通じる市道に消雪施設を整備し、冬期の交通空間を確保するとあるが、この整備事業は、年間の降雪量に見合う費用対効果を考えると多大な予算と考える。
それに対して、消雪装置のない住宅街は市が委託する地元業者の除雪に頼らざるを得ない。それも、なかなか来てくれないと、毎年、苦情が寄せられていると聞く。こうした生活道路にこそ消雪装置を整備すべきではないか。
約1億 2,000 万円もの予算は市民の生活向上に回して、市民の暮らしと安全を優先すべきではないか。お金の使い方が、市民の感覚とずれているように思えてならない。見解を問う。
建設部長:消雪施設設置事業についてお答えいたします。
今回計画しております市道B第百五十二号線は、本市の経済・産業の中核を担う企業が集積する宇谷野工場団地にアクセスする重要な幹線道路であります。
当地域は山間部に位置し、積雪量も多いことから、冬期間には大型車の立ち往生が頻発しております。
過去には、大型トレーラーがスタックした際、道路がふさがれ、物資の輸送が停滞するなど、深刻な問題が発生しました。
このため、冬期間の交通障害を解消し、強靭な物流網を確保することが、大きな課題となっております。
消雪施設の新規整備につきましては、「加賀市国土強靭化地域計画」に基づき、公共施設周辺の道路のほか、緊急避難や物流輸送を担う幹線道路を対象としております。
かねてから、宇谷野工場団地連絡協議会より、降雪時の安定した物流ネットワークを確保するための消雪施設の設置要望がございました。
当路線は、消雪の整備方針にも合致するほか、国庫補助の重点配分が見込まれることから、整備に向けた検討を行なうものであり、本市の地域産業の維持と発展を図るためにも、必要な事業であると考えております。
5,公立保育園再編について
一色:加賀市公立保育園再編基本計画(改定版)の最終案では、令和8年度末から令和 10 年度末までの3年間で、現在の 12 公立保育園のうち7園を休園し、5園とするとある。
過去には最大 56 あった公立保育園が、令和 10 年度末には5園となる。そこで、次の点について問う。
①公立保育園の役割について
公立保育園の役割を示せ。また、それを踏まえた上で、休園する根拠を示せ。
健康福祉部長:公立保育園の役割についてお答えいたします。
公立保育園の役割は、法人立保育園等との適切な役割分担と連携を図りながら、地域全体の子育て支援の基盤を支えるとともに、セーフティネットとしての機能を果たすことにあります。
具体的には、法人立保育園等での対応が困難なニーズに対する児童の受入体制の保障や、創造性を育む保育・教育の実践などが挙げられます。
これらを踏まえた上で、今回の計画改定において一部の園の休園という判断に至った主な理由は三点ございます。
一つ目は、「こどもたちの健やかな成長への影響」です。本市の未就学児数はこの十年間で約千人減少しており、一部の園では過度な小規模化が進み、保育の供給が過剰な状況になっております。集団が小さくなりすぎると、友達関係が固定化したり、小学校就学前における人間形成の基盤となる、共に話し合い、互いの意見や考えを深め合う機会が制限されたりするため、社会性や主体性を育むうえで望ましい保育環境を保つことが難しくなってまいります。
二つ目は、「建物の老朽化対策と防災面の安全確保」です。公立保育園の半数以上が築五十年前後を迎えております。大規模改修や建て替えには多くの費用がかかりますが、園を適正に集約することで限られた財源を効果的に活用し、安全対策・防災機能をしっかり講じてまいります。
三つ目は、「保育士の適正配置」です。本市においても保育士不足の中、法人立保育園等との協働を図りつつ、公立保育園を集約することで現場の分散を防ぎ、公私協働で保育士を「育て、守り、働き続けられる」環境を整えることで、質の高い保育を持続的に提供してまいります。
②再編の実施方針について
①公立保育園の配置について
各中学校下に公立保育園が1園は必要だと考えるが、錦城中学校下は令和9年度末で0園となる予定である。保護者からは存続を要望する声もある。錦城中学校下に1園残す選択肢はないのか。見解を問う。
②公立保育園での0歳児保育について
公立保育園で0歳児保育をしている園は、12 園中4園である。保護者の切実な要求である0歳児保育をしてこなかったことが、入園希望者を減少させた要因ではないかと考える。見解を問う。
③受入れ体制について
山中中央保育園は継続だが、現在1歳からとしている受入れ年齢を、今回再編する機会に、0歳からとできないか。見解を問う。
健康福祉部長:再編の実施方針についてお答えいたします。
はじめに、公立保育園の配置につきましては、本市では未就学児数の減少に伴い、公立園の小規模化が進んでおり、特に錦城中学校区の大聖寺・錦城両保育園では定員充足率が大きく低下する一方、法人立保育園等による十分な受け皿が確保されています。
適切な集団規模での保育環境の確保や園舎の老朽化対応、保育士確保の観点から、今回の再編基本計画は最適な配置を目指すものであります。こうした状況から、同校区への公立保育園の存続は、集団保育や限られた公費活用の面から難しいと判断いたしました。
しかし、保護者の皆様の不安や要望を受け止め、転園への支援に万全を期すとともに、法人立保育園等ともしっかり連携し、安心・安全な保育環境を維持してまいります。
次に、公立保育園での〇歳児保育についてお答えいたします。
本市では法人立保育園等が、〇歳児保育や長時間保育を担い、官民のそれぞれの適切な役割分担が定着してきた経緯がございます。
特に、〇歳児の受入には専用設備や手厚い人員配置が必要であり、全公立保育園で一律に実施することは困難でありました。
入園希望者の減少についても、急激な少子化や働き方の変化、法人立保育園等へのニーズの高まり等が複合的な要因と考えられます。今後の〇歳児受入については、公立四園を維持しつつ、法人立保育園等と協働し、確実な受け皿と質の向上を保障してまいります。
最後に、山中中央保育園における受入れ体制についてお答えいたします。
受入年齢につきましては、これまでの役割分担から、山中地区では既に法人立の二園で生後二か月からの乳児保育が実施されております。また、先ほど申しましたとおり、設備や職員配置の関係とならびに法人立保育園等との重複回避の観点から、現時点で〇歳児を受け入れる計画はございません。
今後も再編の実施方針を重視し、地域全体で最適な保育体制を維持してまいります。
③保育士の処遇について
保育園の再編に伴い、余剰人員となりかねない職員、とりわけ会計年度任用職員の働く場を保障するように求める。見解を問う。
健康福祉部長:保育士の処遇についてお答えいたします。
本市の保育現場を支えてきた職員の雇用や働く場の確保は、優先して取り組むべき課題の一つであると考えております。
保育現場では、産前産後休暇や育児休業等の代替職員の確保が非常に厳しい状況などにあり、現時点におきましては職員が余剰となっているような状況ではございません。
再編後においても適正な配置基準を堅持し、持続可能な保育体制とするため、会計年度任用職員の力は必要であり、現場の重要な担い手であります。
今回の再編に伴う配置の見直しでは、職員の意向をしっかりと確認し、面談などを通じて、勤務希望や生活環境に最大限寄り添った対応をしてまいります。
具体的には、残る公立保育園への再配置や、これまでの保育実践・経験を活かせるよう、例えば「子育て支援センター」や各種相談機関など、市の子育て事業全体を視野に入れた柔軟な配置転換も含めて、選択肢を提案していく考えであります。
職員一人ひとりが安心し、納得して働き続けられる環境の整備と雇用の継続に万全を期してまいります。
6,地域公共交通の充実について
一色:乗合タクシーの評判が悪い。担当課によると、「たまたまある時間帯に集中すると希望する時に行けないことが多い。また途中で利用者がいれば乗せるようにコンピューターが組み込むので、経路が複雑になる。利便性向上については、台数を増やす・ドライバーも増やすことで解決するだろうが、その分財政的に負担が増え、現実的でない」として、消極的だ。
今日、地域公共交通問題は全国的にも大きな課題となっている。市民が自由に移動できる手段を保障するのが行政の仕事ではないか。いわゆる交通難民と言われるこうした市民の移動に際し、加賀市は市民に寄り添っているかと言えば、不十分だと思う。
これから高齢者が増える加賀市において、乗合タクシーの需要はますます増えると思われる。しかし、現在は乗合タクシーの供給が追い付いていない現状である。そのギャップを埋める意味でも、タクシー会社と連携して、車を持たない 70 歳以上の加賀市民に半額でタクシーを提供する仕組みを構築してはどうか。残りの半額を市が負担すれば、市民にとってもタクシー会社にとってもありがたい話ではないか。実現を強く求めるが、見解を問う。
市民生活部長:地域公共交通の充実について、お答えいたします。
乗合タクシーは、鉄道や路線バスが運行していない地域の方を対象に、通院や買い物などの日常の移動手段として整備したもので、「相乗り」を基本に、市内約九百二十の乗降ポイント間を最適なルート設定をすることで、効率的な運行を行っております。
以前は、市内を三つのエリアに分けた区域間運行としておりましたが、現在は市内全域を乗り換えなしで移動できるようにし、乗降ポイントも大幅に増加させるとともに、車両台数も四台から九台に増やしております。さらに、今年七月からは定期券を導入するなど、積極的に利便性向上に努めております。
こうした取組の結果、利用者数は、令和五年度の一万五千百九十六人から、令和七年度は 三万一千八百十四人と二倍以上の増加となっております。
最近では、利用者から、
- 交通費が負担になり通院を控えていたが、定期券のおかげで必要な治療を受けることができ、症状が改善した
- 夏休み期間には、学童保育や市営プールへの移動手段として助かった
など前向きな評価を多数いただいております。
一方で、積極的な取組により利用者が増えたことに伴う新たな課題も発生しており、議員ご指摘のとおり、予約が重なった際に、ご希望に添えない場合があることも認識しております。これは、一日を通してみますと恒常的な供給不足というより、時間帯による利用の偏りが主な要因と考えております。そのため、時間帯ごとの利用状況を分析し、より効率的な配車ができるよう、配車システムの調整や運行車両数の時間調整など、運行の改善を図っております。
改善方法の一つとして車両の増強が考えられますが、現在の乗合タクシーの収益率は十五パーセント程度にとどまっており、車両を安易に増やすことは、市の財政負担を著しく増加させる懸念がございます。そのため、現時点では直ちに車両を増台するのではなく、現行予算の範囲内でより多くの方にご利用いただけるよう、複数の利用者が同時に乗車する「相乗り率」の向上に努めております。その結果、「相乗り率」は、令和七年度の四十四パーセントから、直近では約六十パーセントまで向上しており、予約が取れないといったお問い合わせも減少傾向にあると認識しております。
また、市が運行する乗合タクシーを過度に拡充した結果、他の交通手段を衰退させてしまっては本末転倒であり、市としては絶対に避けなければならないと考えております。
これは消極的な姿勢ではなく、本市には乗合タクシーのほか鉄道、路線バス、ライドシェア、タクシーといった多様な交通手段があり、これらを組み合わせることで、市民がそれぞれの都合に合わせて選択できる交通網を形成することが重要と考えるためです。
最後に、車を持たない七十歳以上の市民を対象としたタクシー運賃の半額補助制度についてでございます。このご提案につきましては、タクシー事業者への支援につながる側面がある一方で、恒常的な公費負担が財政に及ぼす影響や、路線バスなど他の公共交通機関との利用バランスなどの観点から、導入の可否については慎重な判断が必要であると考えております。
また、タクシーは、市民のほかにも、観光客や市外からの来訪者など幅広い方に日々利用されております。全国的なドライバー不足の中、利用者が急増すれば、需給が一層逼迫し、必要な移動に支障が生じる懸念についても、十分検討しなければならないと考えております。
今後も、各交通手段の特性と役割分担を見極め、高齢者をはじめとする市民の安心な移動環境と持続可能な地域公共交通の確保に努めてまいりたいと考えております。












